今日は久々の晴天。あたたかくて過ごしやすかった。
今日の仕事は昔の親方の助っ人仕事。
月初に電話があって、
「オー中西、手伝ってくれよー。でかいマンションやってんだけどよー、請負でやってくんねーか?」といつもの調子で・・。
「急に言われても俺も予定あるし、月末までは無理ですよ。とりあえず月末に連絡します。」
「アテにして待ってるよ。」
みたいな感じで、その場はしのいだ。
それでもって、昨日の夕方、約束通り電話した。俺は現場居れないけど、朝は職人達連れて親方の家まで行った。すると家の前に、おっちゃんと20歳くらいの子がいた。車の窓開けて、「おはようございます。」とあいさつすると、なんだか懐かしい顔のオヤジさん。
「あれ、中西君?」とオヤジさん。
「はい、久しぶりですね。」と15年ぶり。「やべー、名前が出て来ない・・・。確か何とかスワローズのオヤジなんだけど・・。俺の名前覚えてるしどうしよう。」と考えてるうちに、若い子が、「中山さん。」て呼んだのを聞いて、やっと思い出せた。
「そうだよ、中山さんだよ。中山スワローズだよ。」と。
15年前の当時、そのおじさんは土曜と日曜日にたまに手伝いに来てた。普段は郵便配達員をしているって聞いていた。元気のいいおじさんで、声もでかく庭仕事が楽しそうだった。地下足袋の中に作業ズボンのスソを入れて、ハゼを留めるのが普通だけど、そのおじさんはいつもスソを外に出して、地下足袋をズボンの中にして履いていた。やや濃い目の色の入ったメガネをかけ、頭には常に「ヤクルトスワローズ」の帽子をかぶっていた。
先輩の、本田兄弟がいつも俺に、「今日も中山スワローズ来たな。何であんな帽子かぶってんだよ。聞いてみろよ。」って言ってくる。ペーペーの俺は、そんなことは聞けるはずもない。
15年経った今朝はもう、あの帽子はかぶっていなかった。
「俺も定年退職してさー、それから親方につかってもらってんだよ。」と楽しそうだった。
なんか元気な中山さんに会えてよかった。
今日は、15年前が一気に思い出された一日だった。